2015年5月12日火曜日

お皿で泳ぐ、こいのぼり

YMCAとつか乳児保育園 こどもの日おやつのご報告


5月の連休前、お弁当の日のおやつとして、行事食を提供しました。
こいのぼりの形のゼリーです。

ゼリー液(にんじんジュースとカルピスをブレンドしました)を、冷やし固めた後に切り分け、目はストローで穴をあけます。尻尾は包丁でカットしました。

当初はこいのぼりの頭側にウエハースを添え、こいのぼりの支柱に見立てる予定でしたが、思いのほか、ゼリーから水分が滲み出たので、この計画は断念しました。

(ちなみに、この現象は「離漿 りしょう」と言います。滲み出た水分は、寒天自身の重みで寒天の中から押し出されたものです。この現象が起きると、寒天が崩れやすくなってしまいます。)

人参ジュース内の繊維の為か、仕上がりの舌触りが、若干ざらついていました。
そのため、子ども達が食べてくれるかどうか不安でしたが、空っぽになったお皿が帰ってきたのを見て、ほっとしました。




























近ごろ、保育室へ食事風景を見にゆくたびに「ご飯を
作ってくれてありがとう」と声を掛けてくれる2歳児クラスの子がいます。

この子に限らず、保育や事務の職員や、保護者の皆さんからも、ねぎらいの気持ちが伝わってくる事があります。
けれど、この言葉は、給食室の職員だけに向けられたものではない、と思っています。

給食を作るためには、食材が不可欠です。

その食材が育つためには、太陽の光や、適度な量の雨など、自然の力を借りなければなりません。(近年では、LEDライトで野菜を育てることもできるようですが。)

そして、食材が保育園へ届くまでに、沢山の人が関わっています。
食材を作る人、収穫する人、市場へ運ぶ人、市場から保育園へ届けてくれる人。

もし、そのうちの誰か一人が欠けていたら?
今日、保育園に食材が届かなかったかもしれません。

「ありがとう」の言葉が向けられているのは、食材に関わったすべてのものと、すべての人に対してなのだと思います。

給食室は、「すべて」を代表して、その言葉を受け取っているのだと。

食材を活かすのは、給食室の役目であり、責任でもあります。
給食室の仕事は、沢山のもの、人の上に成り立っているという事実。
これからも、それを忘れず、給食作りに励みたいと考えています。


YMCAとつか乳児保育園 金山千晴